仮名手本忠臣蔵を見るにあたって、歌舞伎も見ていない私にとって
橋本治さんの「浄瑠璃を読もう」の最初が仮名手本忠臣蔵。その書
なぜそうしたのかについて、橋本治さんは「幕
府が現実の事件をそのままドラマ化するのを嫌ったという事情もあるが、それ以前に浄瑠璃は自分たちの知っていることをそのままドラマにしないという性質を持っている」と続け、太平記に仮託した赤穂浪士のドラマではない。ただ、「仮名手本忠臣蔵」というドラマなのである。(「浄瑠璃を読もう」12頁)
江戸時代の庶民の芸能として大人気を博し、三業の切磋琢磨の中で培われてきた人形浄瑠璃文楽を、今の時代にどう見るかといった、面倒なことを考えるより、大阪という土地柄が育ててきた地味を楽しむ。
歴史の空間に漂う思いで「浸かればいい」。そういう指南をしてくれている本(浄瑠璃を読もう)だと感じています。国立文楽劇場は「文楽」だけを楽しむには確かに客席が広すぎるという難点はあるでしょうが、すでにあるものをどう楽しむかと想いを巡らすのもまた一興。楽しんできます。
以上です。
江戸時代の庶民の芸能として大人気を博し、三業の切磋琢磨の中で
歴史の空間に漂う思いで「浸かればいい」。そういう指南をしてく
以上です。