2009年11月 1日(日) WTCを見上げながら


26日の府議会開会が遅れに遅れ、27日の午後にようやく議決されました。府庁舎の移転条例が否決されたのは残念ですが、買い取りのための補正予算案が可決されたことは、WTCがある咲洲やコンテナの荷役作業が本格的に始まった夢洲の今後にとっても非常にありがたいことです。

「府市協調」という路線について、橋下知事誕生までは二重行政の無駄を省けという世論に対し、どちらかというと行政特有の「アリバイ作り」と取られても仕方がないスローテンポの交渉を前知事・市長の間で回を重ねていたように映ります。

「府市合わせ」という語呂合わせが堂々とまかり通っていたわけです。そんな状況は細かな点での前進はあったものの、府民、市民には見えにくい「交渉」状況であっただろうと思います。市長になって府との交渉のレクチャーを受けて、「あぁ、そんなこと知らんかったなぁ」と何度も思いました。

しかし、橋下知事誕生後の市との協調路線はまず水道協議で徹底してメディアオープンのなかで進めることから、多くの府民、市民に様々な形でメディアを通してその意義が伝えられました。そして市民の皆さまに分かっていただきたいという思いから、市ではインターネットで「水道統合」について私が直接語りかける形での情報発信や、市政だよりを通じての発信を行ってきました。

そうした動きの中で、去年8月から紆余曲折があったこの間の府庁移転論議です。今回も徹底した情報公開を府市共に心がけ、また今までには考えられなかった府市双方の職員による「都市構想」へと進み、春の否決後も更生管財人の意向を受け、最大限努力させてもらいました。

移転案は×買い取り〇という判断について、報道によるインタビューなどでは「分かりにくい」という指摘が多くあるようです。そんな疑問や懸念を晴らすためには、府の買い取りは良かったと思っていただける結論を導くのが政治家としての使命であると考えます。これは私だけでなく、知事も全く同じ思いだと確信します。

毎日、WTCを見上げながら、このビルに府の職員が通う姿や、ATCに通う市の職員の姿を思い浮かべています。人の流れは確実に増えますが、それが公務員だけでは本当の街作りといえないことは重々承知しています。

府市連携しながら、また知事と協調しながらダイナミックにこのエリアの活性化を目指したいと思います。まぁ知事は一気に大きな打ち上げが得意であり、またそれが成果をもたらしている部分もありますが、私はそんな知事の発想の中から地道に、しかし確実に歩を進める策を実行していきたいと気持ちを引き締めています。

でも、動くときはあらゆる可能性を目指して行きますので是非応援してください。