2009年9月30日(水) 問われる「本気度」の意味 2


今日は府議会定例会本会議で自民党の代表質問がありました。その中で府庁のWTC移転案を巡り、府議会での大阪市長説明を議長を通じて要請するようにという要望も出されたようです。
「本気度」を感じていただく絶好のチャンスだと捉え、大阪市会の日程は最優先ですのでそれ以外のところで何とかスケジュールが合えばと思っています。

橋下知事と同じく湾岸エリアの造成時の経緯や「府市合わせ」といわれた反目の歴史を体感していないからこそできる発想で、この間管財人の意向を受けた形ではありますが、大阪市長として府に対してお願いしています。府議会の議員の皆さんには是非既成概念にとらわれず、関西の活性化につながる歴史的な選択をしていただきたいものです。

大阪府、大阪市ともに巨額の赤字にあえぎ、懸命に立て直しをはかる努力を続けているものの、追い打ちをかけるようにリーマンショックによる世界同時不況の波が襲ってきて、ほとんど「機能不全」に陥りそうな状況の中、中期見通しも極端に悪い予測しか出せない時期の大胆な提案です。

関西の「反転攻勢」の核の一つとなるべく、ベイエリアから関西の活性化に向けた大胆な動きをするその中心に府庁に来ていただきたいと率直に思っています。「府が市の失敗の尻拭いをするのか」という感覚ではなく、府市協調のシンボルとしてベイエリアを経済界とともに活性化したいという願いをご理解いただき、共に前進していただきたいのです。

大阪駅北地区(通称北ヤード)のまちづくりはナレッジキャピタルに「知の集積」とアジア地域のあらゆる情報の磁場を形成し、ベイエリアにはそうした先端技術を具現化する産業をさまざまなインセンティブを駆使して誘致する。また南、東アジアとの交流、交易拠点としての大きな可能性をもった夢を託せる地域だと「本気」で信じています。

2009年9月29日(火) 問われる「本気度」の意味 1


WTCの府庁移転をめぐり、さんざんメディアに登場している「本気度」についてひと言。

3月の府議会で否決されたWTCへの府庁移転案でしたが、否決理由について聞かれた記者会見で橋下知事が「大阪市の本気度が足りなかった」という発言をされたという記事を見たときに悲しくなると同時に「責任転嫁」という言葉で応えたことを思い出します。

「本気度」って何でしょうか。このごろあまりに多くの場面で使われすぎてませんか。たまたまウェブで「本気度」を検索すると、石原東京都知事がオリンピック招致に本気度をアピールとか、6月の記事ですが名古屋の河村市長が「天守閣を木造へ建て替え」発言で「本気度100%」とか出てきます。

でも、どことなく安易に「本気度」を使ってませんか。これは測れるものなのでしょうか。

今回、大阪府議会で上程されたWTCの府庁移転案ですが、これに先立ち府、市、経済界で「夢洲、咲洲地区まちづくり推進協議会」を開催させていただき、その席でたたき台として出させていただいた大阪市の案についても一部には「本気度が足りない」といわれているそうです。
ベイエリアの開発を振り返っても、大阪市の縦割り構造、責任は取らないで知らん振りを決め込んでもそのままになってしまう土壌などとんでもない負の遺産があります。

よく引き合いに出される「ふれあい港館」(ワインミュージアム)の無駄遣いぶりは見事なものです。一度中を視察(現在閉鎖中)したことがありますが「バブルの踊り方」というサブタイトルをつけたくなるほど、「本気度一杯」の作り方です。誰も使わなくなったパリそのもののレストランとか、年代もののワインを入れるための地下室など、「誰が作ったんや」と思わず怒鳴りました。

府、市、経済界が協調してあらゆる知恵を出し合い、ベイエリアの中心に府庁に来ていただきたいという思いは、この地区を開発した当時の記憶などがないからこそ橋下知事も私も関西浮上のキーになるという客観的な見方で臨んでいるのですが・・・。