多くのメディアが伝えてくれたように、緊縮財政の中で生活保護費が膨大に膨れ上がっている状況は異常としか言いようがありません。
大阪市が全国で一番生活保護受給者が多い現実は、随分前から指摘されてきました。そして、それは西成区、あいりん地域に極端な形となって表れています。20人に1人の受給者ということだけでも驚くほどの多さなのに、西成区では約5人に1人、あいりん地域では3人に1人という状況であるとレクチャーを受けました。
あいりん地域で見られる看板の多くに「生活保護相談受付ます」という類の、一見福祉援助に見えるものの、実態はいわゆる「貧困ビジネス」に結びつきかねない「業態」と受け取られても仕方のない状況が多々見受けられることなど、昭和25年から続いているこの制度の「老朽化」を見直す時期を逃してきたツケが今、大阪市をはじめとする各自治体に襲いかかっています。
去年の9月に生活保護行政特別調査プロジェクトチームを立ち上げ、国に対する制度の抜本的改革を要求するための研究や、現場サイドから上がってくる様々な矛盾の指摘をまとめる動きをとり続けています。
この立ち上げは、単に行政の効率化であるとか、市政改革であるとかという運用の矛盾を正したいという範囲ではない動きを、今しなければ、大阪ばかりではなく、日本がダメになると感じたことが私の大きな動機になっています。
一市民であったときに生活保護を巡る様々な矛盾については「うわさ話」として耳にすることはありました。曰く「あの人は昼間は極貧の生活をしているようだが、夜には御殿に帰っている」、曰く「生活保護で受けたお金をギャンブルにつぎ込んでいる」、曰く「なんで年金をかけてまじめに働いてきたのに、若いころ年金もかけず遊びまくっていた人が私より多くの生活保護費を受給できるのか」等々、数え上げればきりがない「うわさ話」です。
勿論、根拠も何もない、誰が何処でどういった証拠のもとに言っているのか分からない次元の話ですが、こうした「まことしやかな」話というのはマスメディアが伝えるよりも口コミで猛烈な勢いで広がるものです。
その結果、善良な納税者で、自らの力で社会に何らかの寄与をしたいと思っている人たちにとって、大阪市は何も対策を取らず、安易に生活保護を受けさしているという新たな「うわさ話」を生んで、マイナスイメージの連鎖になっているのではないでしょうか。
本当にマイナスの要因もあったのかもしれないというのは、現場で懸命にケースワーカーとしての職務を遂行したいと思っている職員の数が圧倒的に足りなくなって久しいという現実も一因かもしれません。そうした部分に手当をすべく、あらゆる知恵を動員しながら「生活保護は最後のセーフティネットである」ということを、今こそ国民すべてで再確認しなければならない事態であると感じるからです。
目先の利益に理性を失いバブルに踊り、今は見る影もなくなったが、過去には人の尊厳を重んじた国だったと語られるようにならないためにも、このプロジェクトチームが提起すべき課題は大きく重いと感じています。
その一方で、一基礎自治体ではあるけれど、日本の福祉制度を様々な面からリードしてきた大阪市の歴史があるからこそ、国に対して制度の抜本的な改革がなければますます目も当てられない状態を招くことを具体的な提案として発信し続けたいと思います。
あいりん地域で見られる看板の多くに「生活保護相談受付ます」という類の、一見福祉援助に見えるものの、実態はいわゆる「貧困ビジネス」に結びつきかねない「業態」と受け取られても仕方のない状況が多々見受けられることなど、昭和25年から続いているこの制度の「老朽化」を見直す時期を逃してきたツケが今、大阪市をはじめとする各自治体に襲いかかっています。
去年の9月に生活保護行政特別調査プロジェクトチームを立ち上げ、国に対する制度の抜本的改革を要求するための研究や、現場サイドから上がってくる様々な矛盾の指摘をまとめる動きをとり続けています。
この立ち上げは、単に行政の効率化であるとか、市政改革であるとかという運用の矛盾を正したいという範囲ではない動きを、今しなければ、大阪ばかりではなく、日本がダメになると感じたことが私の大きな動機になっています。
一市民であったときに生活保護を巡る様々な矛盾については「うわさ話」として耳にすることはありました。曰く「あの人は昼間は極貧の生活をしているようだが、夜には御殿に帰っている」、曰く「生活保護で受けたお金をギャンブルにつぎ込んでいる」、曰く「なんで年金をかけてまじめに働いてきたのに、若いころ年金もかけず遊びまくっていた人が私より多くの生活保護費を受給できるのか」等々、数え上げればきりがない「うわさ話」です。
勿論、根拠も何もない、誰が何処でどういった証拠のもとに言っているのか分からない次元の話ですが、こうした「まことしやかな」話というのはマスメディアが伝えるよりも口コミで猛烈な勢いで広がるものです。
その結果、善良な納税者で、自らの力で社会に何らかの寄与をしたいと思っている人たちにとって、大阪市は何も対策を取らず、安易に生活保護を受けさしているという新たな「うわさ話」を生んで、マイナスイメージの連鎖になっているのではないでしょうか。
本当にマイナスの要因もあったのかもしれないというのは、現場で懸命にケースワーカーとしての職務を遂行したいと思っている職員の数が圧倒的に足りなくなって久しいという現実も一因かもしれません。そうした部分に手当をすべく、あらゆる知恵を動員しながら「生活保護は最後のセーフティネットである」ということを、今こそ国民すべてで再確認しなければならない事態であると感じるからです。
目先の利益に理性を失いバブルに踊り、今は見る影もなくなったが、過去には人の尊厳を重んじた国だったと語られるようにならないためにも、このプロジェクトチームが提起すべき課題は大きく重いと感じています。
その一方で、一基礎自治体ではあるけれど、日本の福祉制度を様々な面からリードしてきた大阪市の歴史があるからこそ、国に対して制度の抜本的な改革がなければますます目も当てられない状態を招くことを具体的な提案として発信し続けたいと思います。