WTCの府庁移転をめぐり、さんざんメディアに登場している「本気度」についてひと言。
3月の府議会で否決されたWTCへの府庁移転案でしたが、否決理由について聞かれた記者会見で橋下知事が「大阪市の本気度が足りなかった」という発言をされたという記事を見たときに悲しくなると同時に「責任転嫁」という言葉で応えたことを思い出します。
「本気度」って何でしょうか。このごろあまりに多くの場面で使われすぎてませんか。たまたまウェブで「本気度」を検索すると、石原東京都知事がオリンピック招致に本気度をアピールとか、6月の記事ですが名古屋の河村市長が「天守閣を木造へ建て替え」発言で「本気度100%」とか出てきます。
でも、どことなく安易に「本気度」を使ってませんか。これは測れるものなのでしょうか。
今回、大阪府議会で上程されたWTCの府庁移転案ですが、これに先立ち府、市、経済界で「夢洲、咲洲地区まちづくり推進協議会」を開催させていただき、その席でたたき台として出させていただいた大阪市の案についても一部には「本気度が足りない」といわれているそうです。
ベイエリアの開発を振り返っても、大阪市の縦割り構造、責任は取らないで知らん振りを決め込んでもそのままになってしまう土壌などとんでもない負の遺産があります。
よく引き合いに出される「ふれあい港館」(ワインミュージアム)の無駄遣いぶりは見事なものです。一度中を視察(現在閉鎖中)したことがありますが「バブルの踊り方」というサブタイトルをつけたくなるほど、「本気度一杯」の作り方です。誰も使わなくなったパリそのもののレストランとか、年代もののワインを入れるための地下室など、「誰が作ったんや」と思わず怒鳴りました。
府、市、経済界が協調してあらゆる知恵を出し合い、ベイエリアの中心に府庁に来ていただきたいという思いは、この地区を開発した当時の記憶などがないからこそ橋下知事も私も関西浮上のキーになるという客観的な見方で臨んでいるのですが・・・。