2010年6月13日(日) 拝啓、「大阪維新の会 松井幹事長様」…ツイッター異聞


これから書くことは、またまた誤解を招くかもしれないという思いと同時に、誤った情報の怖さを知る身として、書き留めたいという思いで書かせて頂きます。

実は、12日土曜日に大阪維新の会の皆様が生野区の補選に向けて街頭行動をされました。その街頭演説でさまざまな発言があったようですが、事実を事実として伝えたいという私の思いを、勘違いされているのではと思える松井幹事長(府議)のご発言についての連絡を友人からもらいました。

友人から電話「市長、ツイッターてなもんしてるの」

私「やってるけど、どうして?」

友人「実は大阪市の水道局職員の給料について、猪瀬(東京都副知事)さんに1000万円やなくて6百何十万かで、これのどこが高いと市長がいってると松井さんがいうてた」

私「えーっ!(絶句の後事情説明)」

発端はツイッターでフォローしてくださっている方には全てお分かりだと思いますが、6月8日に、あるフォロワーの方から、猪瀬副知事がツイッター上で大阪市の水道局員の給料が1000万円というつぶやきをされていたということからでした。

ツイッターの使い方を日々学習しながら、まさかという思いで猪瀬さんのツイートを見て、その後のやりとりを「討論」と取られないよう気をつかったつもりでした。

togetterというソフトを使って、この間のツイートをまとめてくださった方がありますので、一度ご覧ください。http://togetter.com/li/27912

猪瀬さんと私とのやり取りだけではありませんが既に4200人近くの方がご覧になっています。ネット社会の情報の伝わり方の早さと、マス・メディアによる「とらえ方」により印象が大きく変わってしまうという状態がよくお判りいただけると思います。途中でこのやりとりを批判されている方もありますが、それはメディアの伝え方に起因するのではとも思い、いい例だと判断しました。

私は事実を事実として伝えなければ、またまた「大阪市の改革は何も進んでいない」という、新たな「刷り込み」に繋がる恐れを感じたから、猪瀬さんに「何故そうなるのか」をお聞きしただけであり、「東京都より低い」とはいっていますが、職員給与についてこれでいいとも申していませんし、安い、高いという議論ではありません。

その友人は街頭演説での発言を録音してくれており、再度確認しました。すると松井幹事長は私がツイートで「678万しかもらってない」とつぶやいたといわれ(そんなつぶやきはと当然しておりません。ご確認ください)「市民のための役所に なるように大阪市政を変えていく、それが我々大阪維新の会です」ともおっしゃってたとか。

一方、マスメディアの一部では予想通り「バトル」とか表現されています。「対決図式」を好む今の風潮でしょうか。また「維新の会」の橋下代表の「敵か味方か」という判断基準をそのまま援用されているのでしょうか。まぁ、好意的に判断すると松井幹事長はこのメディアの伝え方しかご覧にならず、ツイッターでの生のやり取りを確認されていないのではないかとも思えます。

多くの人たちが橋下代表の人気の高さに思わず足を止めて聞き入るのは福島補選でも見られた光景です。恐らく、生野補選でも同じ作戦を取られるのでしょうが、引用される場合は事実に基づいた引用をされるべきだと思い、このブログのタイトルにしました。

松井幹事長は比較の対象として「大阪府の民間平均給与300万」ともいわれたそうですが、府議会議員として2期の経歴をお持ちの松井幹事長が公務員給与の決め方をご存じないはずはありません。また、府の職員給与については言及されておりません。20年度の府のHPで確かめたら、水道部の職員給与は693万ほど…(21年度ではもっと下がっていると思います)

維新の会の目指される政治とは伝聞でもなんでも、利用できるものはするという方向なのでしょうか。そのような政治が、本当に住民を信頼したものといえるのでしょうか。住民を信頼し、どんな不都合な情報でも開示する徹底した情報公開のもとにこそ、真の地域主権、市民協働があると考えます。

こんな議論をすることに何の意味があるのかとむなしくなりますし、もっとのびのびと将来の大阪像を語りたいものです。

1000万円以上という猪瀬さんのつぶやきを発端として、事実はこうですよとつぶやいたときにも、感情的になってはだめだよというのを自分に言い聞かせておりました。討論ではなく、誤った認識を正したいという思いだけです。

一連のやり取りの後、先日猪瀬さんから直筆のお手紙と、サイン入りの『東京の副知事になってみたら』と『ペルソナ』を送っていただきました。お手紙には東京都の改革をより進めるという決意が語られていました。お礼状をしたためようと思っております。

先日(11日)ユーストリームで配信させていただき、また市のHPで動画配信もしております定例会見で、項目説明の最後、記者質問の前に、こう申し上げました。

「府市協調して大阪を盛り上げ、元気にしたいと、そういう思いを依然、勿論強く持ち続けております。そういうことで大阪維新会代表の橋下さんではない、大阪府知事橋下知事とはいつでもお話をする用意はあるということでございます。」(http://bit.ly/fvHrGU の動画を見る、10分54秒から)

また、去年の10月21日、大阪府議会本会議場で意見表明をさせて頂いた際には「かつて大阪市が提唱したスーパー指定市構想に対して大阪都構想という理念のぶつかり合いだけの不毛の議論を置き、今こそ実質的に府と市が協調することで東京一極集中、中央集権制度に対する地方の存在証明につながる動きにしようではありませんか」と言わせて頂きました。

この気持ちはいささかも変わっておりません。