「維新の会 橋下代表」がツイッター上において、「統一地方選までの期間限定」という前提で、おびただしい量の「呟き」を書き続けておられます。また「橋下代表」から、様々な質問の山がツイッターを通じて私に投げかけられています。さらに、それに答えようとしない私に対して多くの批判がツイッター上で浴びせられているのも勿論、知っています。
当初は維新の会の賛同者からの「批判意見」だとして反応しないとしていましたが、ツイッター独特の「140字」の世界として、面白がって乗るような形で多くの方たちも参加されているのではないかと、危惧も感じています。
そういった、危険とも思える風潮を助長させることは私の本意ではありません。そのためにも、改めて私の考えをこの場で述べておこうと思います。
橋下代表からフォローされた際に最初に呟きましたように、しっかりとした議論を行うには「140字」に限られるツイッターというツールでは不向きであること、そして知事・市長という立場での建設的なお話はさせて頂きたいという、考えに変わりはなく、したがって今後、「橋下代表」の呟きに対しての私の考えは、このブログ上で述べていきたいと思っています。
「140字」に比べてはるかに長い文章になりますが、「橋下代表」のツイートに慣れておられる方であれば、読んで頂けると思い書いていきます。
まず、皆さんは「大阪府知事」という公職にある「橋下知事」が、その「府知事」の立場でツイッター上で私に質問されていると考えられているのではありませんか。
ところがプロフィールを見ても、アカウントネームでも明らかなように、この呟きは「大阪維新の会 代表」つまり、地域政治グループの「橋下代表」としての呟きに他なりません。
そんなこと、「大したことやないやん」と思われるかもしれませんが、この間、「代表」としての発言なのか「知事」としての発言なのか判然としない発言が、主にマスコミを通じて流れており、その発言の責任所在に混乱を生じています。
多くの方が、私が「橋下知事」の問いかけを無視し続けていると「錯覚されていませんか」ということを、まず申し上げたいと思います。
私は「大阪都構想」が本当に大阪府全体の改革を目指すものであるならば、「知事」という要職にある「橋下知事」がその突破力を活かして、まず大阪府議会できちんとした議論がなされる必要があると思います。
そのうえで大阪府知事として大阪市長と正式に議論を行いたいとおっしゃるべきだと考えています。それで初めて、お互いが責任をある立場として議論ができるのではないかと考えています。
未だに府議会ではその議論がきちんとされていません。いまや最大会派を率いる「代表」としても、また「知事」としても、府の自治制度研究会が提案されたいくつかの大都市制度について、議会と真摯に議論を行う必要がある時期に来ていると思います。
それが首長の責任ですし、議会制度の壁で実現できないからと、選挙で過半数をとって二元代表制の下でも自分が思うようにやるんだという手法は、やはり間違いではないかと思います。
ましてや、そのことを目標とした一政治団体の選挙運動に、そして、その団体の代表の政治活動に大阪市長が巻き込まれないようお断り申し上げるのは当たり前ではないでしょうか。
私はそういう理由で「橋下代表」との対談をお断りしています。
なお、維新の会の「橋下代表」の手法については危惧を感じていますので一言申し上げます。
当初、福島補選、生野補選で示された「都構想」なるものと、最近の「大阪維新の会」のHPなどで示されている見解に、かなりのずれが見られると感じるのは私だけではないと思います。
特に最近は「都構想」=「区の独立、区長公選制」ということにのみ重点が置かれているように感じます。
その一方で当初「維新の会」に入られた市会議員がHPで掲げられていた区割り案(現在は見当たりませんし、選挙までに具体提案もされないと断言しているようですが)で、将来的に影響を受ける大阪市、堺市を始めとする隣接都市にはどう影響があるのかなど、市民の生活を預かる立場として看過できない問題点については、すべて先送りです。
これはもう、「責任放棄」と指摘するしかありません。
自治体の制度論のように長期にわたり市民生活に非常に大きな影響を与える課題は、さまざまな方の意見をお聞きし、議論を深めていくべきものだと思います。
「都構想」が市民にとってどんなメリット、デメリットがあるのかというのは、重要な論点だと思うのですが、最近は政治家は方針を示すだけで、統一地方選挙で信任を得られれば、府市の役人を使って詳細な案を作成し、住民投票にかけるとおっしゃっています。
方針さえも具体的に示されたと言えない中で、住民投票を担保に「大阪都」に白紙委任を求めるような発言は無責任と言わざるをえません。
ただ、大都市のあり方や自治のあり方について、多くの方の関心を喚起させたことは、テレビや新聞といったメディア上での「橋下徹さん」の功績であり、「小泉劇場」ならぬ「橋下劇場」の面目躍如だとは思います。
この大阪を「どうすれば元気にしていけるか」というのは、「橋下知事」と大阪市長である私の共通の課題です。府と市でお互いに力を削ぐようなことや無駄なことはすべきではないというのも、共通の認識だと思います。
これからの大阪、関西の繁栄と市民の幸せのために、大都市のあり方はどういう方向にあるべきかについて、このブログで私の考えを書いていこうと思います。
当然、「大阪維新の会」が主張されている「都構想」をどう見るべきかについても触れようと思っています。
以上
なお、市長になってから3年の思いや、最近のメディアの風潮などにも触れたルポが「現代ビジネス」に連載されました。まだ、お読み頂いてない方は是非ご一読頂きたくリンクを貼ります。
第1回「ワンフレーズ政治」「わかりやすい政治」からそろそろ卒業してみませんか
第2回「わかりやすさは危険なんです」 アナウンサー出身市長が明かす「言葉へのこだわり」
第3回「見出しが立たない」市長が語るメディアの劣化とtwitterの発信力
第4回「選挙で勝ったら何でも自由にできる」というのは民主主義ではない
第5回「生活保護急増」と闘う市長が「大阪都構想」を論破する