6月29日、関西電力の株主総会へ出席してきました。
大震災後の福島原発を巡って、東京電力、原子力保安院、政府の対応のまずさを見るにつけ、改めて適確な情報開示の大切さを思うとともに、今こそ、「脱原発」を目指して国民全体で議論していくべきだと思っています。(前回ブログ:「なぜ脱原発なのか」)
この間、関西電力の筆頭株主としての立場と、266万市民の生命・財産を預かる市長としての立場とを、どうバランスを取るのか、私なりに熟慮を重ねた末、6月17日の定例会見で「脱原発」と発言し、20日に関西電力社長に個別にお会いして私の考えをお伝えした上で、本日の株主総会出席となりました。
総会では、新エネルギーの開発をはじめ、原子力から多様なエネルギー資源を活用する事業運営への転換を訴えるとともに、節電、エネルギー活用について、より一層の具体的な情報開示をあらためて関西電力に要請しました。
これが、筆頭株主であるとともに大阪市の首長である私が、今なすべきことであったと思っています。
一部には、株主権を行使して「脱原発」へと押し進めるべきだといった声があることも承知していますが、株価への影響、それによってもたらされる市場の混乱、ひいては電力の安定供給や市民の生命・暮らしへの波及など社会的影響の大きさを考えれば、私が今採るべき道でないことは明らかです。
今日の発言によって、電力政策、エネルギー政策全体への市民、国民の注意喚起を実現したいという思いでしたし、関西電力の経営陣にも重く受け止めていただいたと思っています。
これが、本格的な議論に向けた第一歩だと思っていますし、「エネルギー政策室」を立ち上げたのも、今後、エネルギー政策や具体的な節電対策を続けながら、新エネルギーを模索する動きを電力会社だけではなく、あらゆるエネルギー関連の知恵を結集する目的で取り組みたいと思ったからです。
なお、大阪市のホームページに本日の株主総会での私の発言内容をアップしていますのでそちらも是非ご覧ください。
http://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000131068.html