天外伺朗(てんげしろう)さんの「教育の完全自由化宣言!」を読んで

「教育の完全自由化宣言!」というセンセーショナルなタイトルがついたこの本は、2008年に第1刷が発行、そして今年の6月に第2刷が発行されました。

天外伺朗さんは「土井利忠」(本名)という元ソニーの上席常務であり、技術畑を歩んでこられた方ですが、下村博文現文部科学大臣の私的ブレーン集団「教育研究会」のメンバーを2010年まで務められたきっかけになったのが本書であることが「むすび」に書かれています。下村さんが去年の第二次安部内閣で文科大臣に就任されたのを契機に「日本の教育」を巡る環境について、ご自身の経験を踏まえ、本書が新たな使命を持つのではと再版されたのだと思います。

教育学を修めたことのない私ですが、現役市長時代から不思議と教育関係についてご縁を頂くことが多かったですね。自分自身が発達段階で素晴らしい先生に会えたことが、今の自分を作ってくれたという思いがあるからでしょうか。校園長への訓示などという「大層」なタイトルがついた場所でも、「ふとしたことから人生を変えるかもしれない」言葉の発信者としての「教師」の重要性を話したことを覚えています。

本書の中に様々な先達の名前が出てきますが、著者が要約したポイントがわかりやすく、しかもうなずける内容が列挙してありました。モンテッソーリ、シュタイナー、デューイ、ニイル、グリーンバーグなどの名前と、コーチングのガルウェイ、フロー理論のチクセントミハイなどなど。いかに天外さんがフロー状態に入って研究されていたのかが良くわかります。
 

2010年10月10日、出版社140Bから出した「おせっかい教育論」は、広く浅く、大阪という「土地柄」を芯に「本来の学校」「教育の姿」「街場の教育」について鷲田清一、内田樹、釈徹宗という三人の素晴らしい方と2夜のお話をまとめた本でした。

教育の目指すべき方向性というのは、特に発達途上にある子供たちにとっての環境整備。豊かな人生を歩むための基礎を、思いのままに前のめりに追求する時間と場所を保証するということでしょう。そんな思いで、「おせっかい教育論」で初めてお会いした内田先生に大阪市の特別顧問をお願いしたのです。その経緯についてはあとがきに記しました。

現在の日本の教育制度が様々な面で問題を抱えていることは多くの人が気付いているはずですが、それをコントロールする人たちが、まさにそんな教育制度のもとで、著者曰く「大脳新皮質シンドローム」にかかっている人たちだというのはブラックジョークにも聞こえると同時に、病巣の深さをも暗示しています。

この本が目指している教育のあり方を、今すぐに公教育の現場で実践できるものではありませんが、国の教育基本方針なるものの空疎な議論と予定調和の審議会答申などに振り回されず、本当に人間性豊かな市民を連綿と排出する為の学園が一校でも増えてくれたらいいのになぁと感じますし、市井の教育者(ばかりではなく企業人でも)の中に実践を積み重ねている方たちもおられます。

内田先生の特別顧問就任記者会見。私の横で「教育には行政とマーケットは介入すべきではない」と断言されたとき、「その通り」と思って内心、拍手を送ってました。多くの人が気付く教育現場の問題点、缶詰大量生産の子供を作りたいのか、点数至上主義のもたらすものなど、今後の公共政策ラボでも教育の本来の姿について、お話する機会があればと思わせてもらいました。

いやぁ、サボり期間が長すぎましたかね。堺市長選挙を前に再起動モードです。

なんと、今年の4月以来のブログとなりました。言い訳の材料は数多ありますが、ツイッター、フェイスブック、そしてブログとなると、やや足が遠のいてしまっていました。

9月に行われる堺市長選挙結果如何で「大阪都構想」の息の根を止めるか、地方自治を上から目線の集団の意のままに、実験台として、本来は壊すべき官僚体制の前に「貢物」として差し出すことになるのか。

いよいよ大阪府民、堺市民の決断の時といってもいいと思います。維新の会は十年一日のごとく、代表様ご一行が仰々しく堺入りをし、これも十年一日のごとき選挙演説をすることでしょう。

過去の彼らの選挙演説を並べ、固有名詞、地名を変えればすぐに何処でも使えるように「ひな形」になりつつあり、ちょっと目先を変えて変わったことを言おうとすると、世界中から顰蹙を買う体たらくに、以前は支持していた人たちも遠のきつつあるのは確かです。

しかし、マスメディアへの露出がいやでも増える状況を作るのが得意な彼らであり、まるで維新の宣伝番組かという「情報番組」やキャスターの存在も依然残っており、その人たちの「活躍」が誤った判断を刷り込んでいく日々が続くと、気付いた人たちが「無力感」にさいなまれ、結局投票行動に結びつくのは強固な基盤を持った組織票と、判断基準を誤らせる情報に晒された人たちだけにならないように、願うばかりです。

こういった予告は今週になって、ツイッター、フェイスブックで書きました。ご覧になっておられない方のために一部貼り付けます。

「さて、堺市長選挙が9月の15日告示、29日投開票ですね。この選挙は報道によると、またまた府知事、大阪市長、維新の国会議員、府市の議員総出で「堺取り」に全力を上げるようですね。いつも維新の批判ばかりしていると維新ファンからはツッコミが入りますが、今後のツイートで更に加速するかも。

お盆明けに「堺市長選挙の持つ意味」、「真の民主主義とは」、「市民が守るべき自治の姿」などタイトルは色々考えてますが、堺市や秋に予定されている神戸市長選を巡るあの方たちの動きなども見据えて、呟いたり、ブログを作成したりしようと考えてます。堺市民、神戸市民の皆さん、よろしく」

以上が導入部分でした。



本のタイトルが決まったぁ!

4月28日放送予定の「たかじんのそこまで言って委員会」にゲストMCで出てきました。http://www.with-ppl.jp/ppl/news/440/ どんな編集になっているやら、私もわからないままの収録でした。まぁたかじんさんと私との関係なども、一昨年の大阪市長選挙で橋下さんを応援したたかじんさんですから、いろいろとわだかまりがあるのではないか。また、この番組自体がかなり「言いたい放題」で司会とはいえ出演するのはまずいのではないかとか、いろい...ろご心配をおかけしましたが、収録自体は極めて「大人」の雰囲気でしたのでご安心のほどを。

さて、番組中に宣伝させてもらいましたが、シンポジウム「ポストグローバル社会と日本の未来」4回の集大成である「本」が6月発売予定で最終準備に入っています。小田嶋隆さんにつけてもらったタイトルは【「脱グローバル論」~日本の未来の作り方~】 に決定!

内田樹、平川克美両氏が60歳台、小田嶋さんが50歳台、中島岳志さんが30歳台、そしてイケダハヤト、高木新平両氏が20歳台という幅広い論客とコーディネーターが64歳の私。去年7月に東京で始めたシンポが、その後東京、大阪、神戸(凱風館)と続き、計4回。その集大成です。

競争社会?グローバリズム?ヒトはカネのためだけに生きるワケではない。追い立てられるからこそ立ち止まって考える”脱力市民生活”のヒント…などなど、小田嶋さんが4回のシンポを総合して表現するのにふさわしい惹句を考えてくれました。

そして「おじさんと若者が、ゆるゆると日本の未来を話し合ってみました」という「脱グローバル論」~日本の未来のつくりかた~。装丁も価格も発売日も決まっていませんが、6月には講談社から発売予定です。詳細が決まればまたお知らせします。

地熱は日本を救うか?

市長選後にブログを移設して、気がつけば10万ページビューを頂きました。市長時代から別のサイトで書いていたものはカウントされていませんが、多くの方に見て頂いてありがとうございます。

さて、先日ツイッターとフェイスブックで書いた「地熱発電」に関するものをここにもアップしておきます。今後様々な場面で登場するであろう地熱発電関連。「原発再稼働」という大声の号令の陰にこの事実が横たわっているということを多くの人に知ってもらいたい。そういう思いです。では。

「真山仁さんの初めての「新書」。「地熱が日本を救う」(角川oneテーマ21)読了。
http://www.kadokawa.co.jp/sp/201303-02/
3月10日に初版がでた本書には、私が知らなかった日本の地熱発電の現状がデータとともに読みやすく整理されている。「脱原発」しか言わないのでは、従来の「ムラ」の強圧の前に粉砕される。

「地熱が日本を救う」には、そうした議論だけではない、日本の地熱を巡る現状が網羅されている。原発再稼働だけを目指すかのような動きの裏側に、地道な、しかし、原発に代わるベース電源として火山列島日本が一番取り組まねばならない「地熱発電」の現状を示してくれている。

私は真山さんの「マグマ」、「ベイジン」など一連の著作を読み、周到な取材と、恐ろしいまでの先見性を小説という形で世に問う人だという感想をもっている。そういう意味では本当に「地熱が日本を救う」が示しているような、国を挙げての取り組みが前面に出てきて欲しいものだ。

この「新書」に書かれた余り報道されていない「前向き」の動き(研究開発予算、超党派議員連盟、産業界の動きなど)が、日本の今後のベース電源を「原発以外」に求める方向に大きくシフトするダイナミックな展開になることを期待したい。」


以上ですが、これをアップした途端にある方からこの記事の紹介が http://www.news1st.jp/index.php?s=28&item=2803 
着実に進んでいる部分が表に出てこないのは、何が何でも「原発再稼働」という流れを前面に出したいからなのか。産業界の要請でとか色々言われるけれど、地熱発電での日本の技術力は世界トップクラスなのに…。

TPP亡国論の中野剛志さん、野田政権時代の警告

フェイスブックには今朝からアップして、多くの方が拡散して下さっているユーチューブです。今の再生回数は6万2000余り。マスメディアの到達率からいうと「微々たる」ものになります。日本のSNSやインターネットは、この夏の参院選で性格が大きく変わろうとしています。そんな時にこの映像がもっと拡散して欲しいという思いを込めてブログにもアップします。

39分ほどありますし、ネット環境によっては見辛いかも知れませんが、じっくりメモを取りながら、久しぶりに学生感覚でご覧(ネット大学のつもりで…)になっても良し、リンク先をキープしておけばいつでも見直し可能。ホントに便利になりました。

まず、10万再生を目指し、どこかで爆発的に広がってくれないかなという思いです。こういう側面が去年から指摘されてたのだという認識も大事だと思います。では、FBのコメント貼り付けます。

「TPP交渉参加へ」という大きな流れが全てのマスメディアの推し進める方向なら、京大准教授時代に中野剛志さんがユーチューブで流されたこの映像はどの程度広げられるのか。

「米韓FTAよりひどいTPP交渉となるだろう」http://www.youtube.com/watch?v=3kQEWuQttfg&sns=tw 

39分ちょっとですが、私はツイッターで知り、「お気に入り」に入れていました。何回目かの視聴ですが、何度見ても「なんでTPPなんかに入るんや!」という思いが募ります。

野田前政権がこの方向に大きく舵を切った瞬間に「国民の暮らしが第一」という4年近く前のスローガンが雲散霧消したと感じたのですが、今回多くの自民党に投票した人は「裏切られた」とは思わないのでしょうか?

ユーチューブでこの映像を見ると、その右側にも様々なビデオのリンクがあります。以上、今日のご紹介でした。



TPPって本当に日本のためになるの?

13日の朝刊見出しに大きく「TPP交渉参加へ」という文字が躍り、気分が悪くなりました。多くの人がその実態を知らされないまま、あるいはわざと見ないようにして進められようとしていることや、選挙前の自民党の方向がこんなに早く路線変更になるのかという思いです。

TPPに関しては単に農業問題だけでなく、保険、医療など様々な問題が指摘されているのはSNSを情報収集に使っておられる方なら当たり前。(大きな意見広告もでていましたね)

「戦後史の正体」で孫崎享さんが指摘されているように、対米追随外交の歴史が日本をここまで「属国、属領」的な形に落とし込めているという指摘をどう受け止めるのでしょうか。

東京新聞がすっぱ抜いたように、見えない情報、いや意図的に見せない情報の存在が明らかになっているのに、政治家も、大手メディアも、経済界も「見えないことにしていきましょう」という前時代的な国民懐柔(誘導)策がいつまで通用すると思っているのでしょうか。

自民党は、「日本国憲法」をアメリカから押し付けられた憲法であり、「自主憲法」制定を党是としていた筈。なのに、国民の暮らしを支えているはずのわが国の健康保険制度、ただでさえ確かでない食糧自給、そんなこの国の現状を、より、アメリカ主導型の見せかけの貿易自由協定に踏み込もうというのか。

ケンブリッジ大学のハジュン・チャン教授の著書「世界経済を破綻させる23の嘘」(徳間書店:田村源二訳)にも、「自由市場」という幻想は強者の言い分で、過去に真に自由な市場は存在していないという指摘もありますし、グローバル経済が栄えることで多くの人たちにトリクルダウン効果があるというのも具体例はないと論破しています。

ハジュン・チャン氏がテレビ出演している「デモクラシーナウ」という番組とその対訳のページを見つけました。ハジュン・チャン教授ならではの明快な分析と、グローバル経済が今後直面する課税の問題も指摘されています。

http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65783675.html
いろいろとCMなどまでがリンクされてしまうようですが、お許しを。

大阪市は「無くなる」んですよ!

ツイッターとフェイスブックで繋がっている方とのやり取りで、相変わらず「都」になっても大阪市がなくなるわけではないと思っておられる方が結構いらっしゃるのではないか。ツイッターで単に誹謗中傷の為アカウントをとって群がってくる輩とは違い、きちんとお話できる人ですらそうであることに気づきました。

その方にあてて先ほどツイッターで呟きましたが、あぁ大阪市だけのことだと思っておられる方にも、そうではないことを伝えたいと思い書きます。7月の参院選、兵庫知事選、その後の堺市長選、神戸市長選などなど、政治日程は連続していますが、日本の「地方自治の危機」であるという認識を広げてもらえませんでしょうか。

大阪市を分割して小さな自治体にし、目の届く行政をする…一見聞こえのいい「うたい文句」ではありますが、現実をみると、この方たちは効率化、民営化、自己責任論を標榜している人たちです。そして他人に厳しく、自らに属しているものには甘くという姿もこの間多々目にしてきました。

「大阪都」になると「大阪市」が潰される、それは今の税収とはまったく違う構造になることを意味します。結果として住民サービスだけではなくて、都市インフラとしての機能の責任範囲をめぐっても信じられないくらいの議論が必要であり、そこに貴重な労力を削がれるのは間違いありませんし、それによって現れる都市の姿は日本の中枢都市として引っ張ってきた「大阪市」の姿ではありません。

是非、そういう認識をきちんと持っていただきたい。その上で「特別区」という名の自治体になるかどうかの判断をして頂きたいと思います。

前置きが長くなりました。今朝のツイート(再構成部分あり)です。

「市会だよりの3月号が全戸配布されてるはずです。大阪市がなくならないというご認識が間違いという1月28日の委員会質疑の内容が bit.ly/ZnhPXw にあります。

1月28日財政総務委員会のまとめですが、4問目の質疑で橋下市長が「大阪市を40~ 50万人程度の基礎自治体にしておくことが必要であります」とあります。これでも過去の合区と同じと考えられますか。

「大阪市会だより」を引用したのは、相変わらず幻想のみを振りまき続け、「都」になればすべてよくなるというその「都」自体が、いまだに大阪市民の間でも「合区」と同じ認識でしか捉えられていないことに警鐘を鳴らしたかったからです。潰すという「現実を知られたくない」という意識を感じます。

大阪市会では各委員会のインターネット中継も録画のアップもあります。今日引用した市会だよりの当該部分は bit.ly/13E5lQW の自民党柳本市議の質問部分です。

知らせたくないことをひた隠しにして、仮装の利益のみを振りまき続ける、それが目に付きやすいからマスメディアが踊らされる…いや、メディア自身の中に巣食っている病巣が、むしろその方向を推進する側になる。病巣が自らのうちにあることを気づきもしないメディア… 」

以上がツイッターの内容です。これは昨日アップしたTPP問題を巡る報道のあり方や、情報の流れ方の問題と同列視できると思います。現在はSNSを通じ、さまざまな情報が瞬時に全世界を駆け巡ります。ならばこそ、マスメディアの役割というのが重要であるという思いを持っているのですが、それに気づくメディアの住人が少ないのが現実だし、特に影響力の強いテレビの世界がこの国を土台から揺さぶっていいのかという問いかけでもあります。