2010年1月 2日(土) あけましておめでとうございます


2010年が明けました。皆さま明けましておめでとうございます。

年末から年始にかけて厳しい寒さに見舞われていますが、「暖冬」という言葉や「地球温暖化」という言葉に慣れてしまっている身としては、冬は寒いのが当たり前だったはず。そういえば子どもの頃はもっと寒かったよねと思うのはやはり歳をとったせいなのでしょうね。

新年が明けるといよいよ22年度予算レクが本格化します。民主党への政権交代による政府予算案の方向性が決まるのが暮のぎりぎりまでかかったことから、基礎自治体としての大阪市の予算編成に関しても多かれ少なかれ影響を受けます。

市長になって丸2年が過ぎて、明るい展望を持ちたいと思っていても、この経済状況を好転させるための具体的な方策がなかなか見つけられません。構造的な矛盾、無駄が積み重ねられてきた制度の問題もあるでしょうし、あらゆる制度が中央集権、東京一極集中という現実の裏付けのもとで組み立てられているので、いくら地方分権に関する協議や委員会の勧告があったにしても、なかなか思うようにはいきません。

「ニア・イズ・ベター」というのが地域主権を表す際によく使われる言葉です。つまり市民に一番近いところが市民の思いをよりよくわかるということから言われています。では日本の場合の地域主権がどうあるべきなのかですが、これも具体的なイメージというとしっかり描かれてはいないような気もします。だからこそ、大阪市のような大都市をどう位置付け、活性化させていくのかという視点を早く見つけて、本当の意味での「地域主権」といえる社会を築き上げる方向性を探るには2010年という年は非常に大事な年になると思います。

生活保護行政について、国はこの大阪市という大都市で20人に1人が生活保護受給者であるという実態をどう捉えているのでしょうか。本来、ナショナル・ミニマムとしての制度が昭和25年以来大きな見直しもされておらず、「貧困ビジネス」などというわけのわからない言葉が横行する現実があります。その改善策や問題点を具体例を示しながら国に積極的に訴えかけられるのは大阪市であるし、そうしなければならないと思っています。

この制度が本来の目的とする「本当に弱い人たちを最後に守るため」の姿に戻さなければなりません。働くことの喜びや、そこから得られる社会とのつながりや、生きがいのある社会、安心して暮らせる社会というものからどんどんかけ離れていっているように感じるのは私だけではないはずです。

そう考えると、この間の大阪市の「生活保護行政」に対する大きな問いかけは、これからの日本の基本をもう一度見直さなければならないという訴えにつながっていくと思っています。今年こそこの制度改正に向けた取り組みを成功させたいですし、それが雇用不安に対する取り組みの強化であるとか社会保障制度への信頼回復につながっていくと思います。