7月22日に開いた「生活保護行政調査プロジェクトチーム」(以下生保PT)で、6月末からこのブログでもその経緯を書かせて頂いていた、「中国人大量生活保護申請」について「既に支給しているものも含め、生活保護を留保する」という一定の方向性を示しました。
当初、新手の「貧困ビジネス」かと疑われる可能性もあったため、担当部局も全容を把握していない段階で「公表」することによって、次に続く恐れを絶ちたかったという気持ちでした。
その後、様々なメディアの報道などによって、この問題の複雑さについてはご理解頂いている方も多いようですが、「中国残留孤児の家族」と思っていたものが実は「中国残留邦人の姉妹の家族」であったことなど、混乱した部分もありました。
生保PTは生活保護制度の抜本改正を訴え続けている大阪市として、法の不備により悪質な貧困ビジネスを締め出すとともに、不正受給の実態調査や、不自然な診療費扶助の実態を浮き彫りにして、国にこの問題をきちんと理解し、一刻も早い改善に向けて動いて欲しいという思いから、去年9月に立ち上げたものです。
6月30日のこの欄にも書かせて頂いたように、このPTの取り組みは、大阪市に対する生活保護の濫給批判や審査が甘いといった、長年にわたって多くの人に刷り込まれた認識に対し、「制度の矛盾に対する具体的な提案」といわば「大阪市の名誉回復」に向けた一貫した動きです。全ての自治体の先頭に立って、この制度が今のままでは日本人の勤労意欲であるとか、納税意識という部分が溶解してしまうという危機感からです。
厚生労働省に対し、大阪市がどう対応すべきかという質問を出していましたが、21日にその回答が寄せられて、その内容から今回の申請については入管の調査結果が出て新たな方向性を決められるまで「保留」し、既に支給している人たちに対する8月分の保護費も「保留」するとしたものです。
そうした経緯は、厚労省からの回答と共に既に大阪市HPにもアップしています。
http://bit.ly/cAVaxq
今後は入国管理局の調査を待ちますが、定例会見でも触れさせてもらったように、この問題に対し生活保護制度ではなく、国としてのきちんとした見解や方針を早く示していただきたいと思います。